●売り込みをしないことが、長く続く経営の秘訣!
- 大沢清文

- 1 日前
- 読了時間: 4分
・目の前の「ひとり」を喜ばせる覚悟がありますか?
「もっと集客しなければ」
「発信を止めたら売上が下がる気がする」
このような不安を抱えながら、日々SNSや集客に追われている経営者は少なくありません。
でも、これまで多くの経営者を見てきた経験と、わたし自身の体験から、確信していることがあります。
それは、ビジネスは「たくさんの人」に届けようとした瞬間に、苦しくなるということです。
本来、ビジネスはもっとシンプルです。
目の前にいる「たったひとり」を心から喜ばせること。
そこに全力を注いだ結果として、紹介や口コミが自然に生まれていきます。
「ひとりのお客さまのうしろには、100人の人がいる」
この言葉の本質は、「数を追うな」というメッセージです。
売ろうとしない覚悟を持つことが、これからのビジネス拡大のカギを握っているのです。
・紹介が生まれるのは「初回」にすべてが詰まっている
紹介が生まれるタイミングは、最初にサービスを受けた「初回」です。
初回のときに
「ここまで大切にしてくれるのか」
と感じた感動は、そのまま言葉になりやすく、身近な人に伝えたくなるものです。
逆に、初回で売り込まれたと感じた瞬間、次にはつながらなくなります。
だからこそ、本気で意識すべきなのは、「どう売るか」ではなく「どうすれば喜んでもらえるか」なのです。
さらに大切なのが、紹介をいただいたあとのフォローです。
感動を一度きりで終わらせず、関係性を育てていくことで、信頼は積み重なっていきます。
初回で売らない姿勢こそが、結果的に、長く選ばれ続ける秘訣なのです。
・スタッフが紹介できるかどうかは「誇り」で決まる
エステサロンを経営していた頃、スタッフが最初に連れてくるお客さまは、母親や姉妹など、その人にとって本当に大切な人でした。
これは、とても象徴的な出来事です。
人は、自分が誇りを持てない仕事を、大切な人には紹介できません。
当時は「エステ=キャッチセールス」というイメージもあり、仕事を心配するご家族も多かったため、わたしはかならず親御さんにご挨拶をし、安心していただくことを大切にしてきました。
その積み重ねによって、
「この仕事は大事な人に誇れる仕事だ」
という自信が生まれ、スタッフ自身の意識もお店の雰囲気も変わっていきます。
売ることが苦手なスタッフにほど、まずは「仕事を誇れる状態」を整えてあげましょう。
売り方を教える前に、誇りを持てる環境を整えることが経営者の重大な役割なのです。
・売り込まなくても、熱意と本気はかならず伝わります
エステサロン時代、わたしが大切にしていた取り組みのひとつに「無料の100人モデル」があります。
このとき、スタッフには「絶対に売り込みをしないでください」と伝え、代わりに、「ありがとう」と言っていただけるレベルまで本気でお客様と向き合ってもらいました。
不思議なことに、売らないと決めたあとのほうが、
「友人を紹介したい」
「ここまでしてもらったから、きちんとお金を払いたい」
という声が自然と増えていったのです。
人は、売られることには警戒しますが、大切にされるとスッと心を開いてくれるもの。
売り込みをしない姿勢こそが、信頼を築ける方法なのです。
・「ありがとう」を増やすことが、最高のマーケティング
過去にわたしがメイクの仕事をしていた頃も、常に意識していたのは「目の前のお悩みをどう解決するか」でした。
眉の描き方、まつ毛の上げ方、唇の血色。
メニューにないことでも、その方に必要だと思えば工夫を重ねました。
すぐに答えが出ないときは、
「少し時間をください」
と正直にお伝えし、後日あらためて解決策を用意しました。
その結果として、
「同じ悩みの友人を連れてきたい」
という紹介が生まれていったのです。
いま、仕事の形がコンサルや講座に変わっても、この姿勢は変わっていません。
お客さまの悩みを解決しようと学び続けることは、自分自身の成長にもつながります。
売る努力より、「ありがとう」を増やす努力が、経営を安定させてくれるのです。
・売らない経営が、長期的に見ると一番広がっていく
売り込みをしない経営は、決して消極的な選択ではありません。
むしろ、信頼を土台にした、もっとも安定して、長く続く経営です。
目の前のひとりを徹底的に大切にする、期待を超える関わりをする、感謝される仕事を積み重ねる。
この循環が、紹介を生み、理想のお客さまを引き寄せ、ビジネスを自然に広げていきます。
売り込みをしなくても選ばれるようになるのは、特別な才能ではなく、日々の姿勢の結果です。
目の前のひとりを本気で喜ばせ続けることが、経営を一番遠くまで連れていってくれます。

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