●人を理解する力で、経営の未来を変える！

大沢清文
11月10日
読了時間: 5分

・相手を理解することに意識を向けられていますか？

　経営者として長く活動していると、かならず壁にぶつかる瞬間があります。

「なぜ、同じ環境なのに成果を出す人と出せない人がいるのか？」

「チームのモチベーションが上がらないのは、なぜだろう？」

　そんなときこそ見直したいのは、人との向き合い方です。

　わたしが長年経営者をサポートしてきて確信しているのは、経営の未来を変えるのは、しくみではなく人を理解する力だということです。

　知識や経験よりも、相手の価値観や行動の傾向を読み取り、その人が「力を発揮できる関わり方」を見つけられるリーダーが、チームを成長させていきます。

　人を理解する力は、セールスの数字を伸ばすだけでなく、組織の空気を整え、スタッフの定着率を上げ、経営を安定させてくれるのです。

　今回は、この「人を理解する力」を実践し、売上・信頼・人材すべての面で成果を出した経営者の実例をご紹介します。

・自分の強みを活かすことで成果を上げた講師！

　最初にご紹介するのは、全国で講演活動や体験会を開催している女性講師です。

　彼女が成果を出せるようになったきっかけは、「人の個性に合わせて関わり方を変える」という意識を持ったことでした。

　以前、彼女は保険会社で16年間勤務していましたが、その時代は「人が定着しない」「数字が伸びない」という悩みを抱えていたそうです。

　しかし、部下やお客さまの性格や価値観を分析し、それぞれに合った接し方を取り入れた結果、年収３００万円だったスタッフが３０００万円を超える成果を出すようになったのです。

　ポイントは、「商品を売ること」ではなく、相手を理解して信頼を築くことです。

（例）

１　論理的に考えるタイプには、数字やデータで安心を与える

２　直感を大切にするタイプには、イメージや共感を使って伝える

３　慎重なタイプには、じっくり話を聞いて信頼を積み重ねる

ます自分の強みを知り、それを相手に合わせて活かすことで、彼女は一気に信頼される存在になりました。

そしていまでは、自身の講座でも「人を理解する力」を教え、多くの人の成果向上をサポートしています。

・丁寧な接客で、成約率１００％を実現したサロン経営者

　２人目は、エステティックサロンを経営する女性経営者です。

　彼女は、わたしが関わるなかでも、とくに「お客さまを理解する姿勢」がすばらしい方です。

　そんな彼女でも、サロンを始めたばかりの頃は、契約率が安定せず、リピート率も低いことが課題でした。

　でも、「お客さまのタイプごとに、求めている安心感や判断基準が違う」と気づいてから、接客の流れを見直したのです。

　たとえば、

１　行動的なお客さまにはテンポよく提案する

２　安心感を求めるお客さまには丁寧な説明を重ねる

３　新しいものが好きなお客さまには、体験を交えて楽しんでもらう

　このように一人ひとりに合った接客を続けた結果、成約率はほぼ１００％に。

「この人の提案なら信頼できる」と感じてもらえるようになったのです。

　また、サロン内でもスタッフに同じ考え方を共有し、相手を知ることや、相手に合わせる姿勢を大切にしていきました。

　その結果、スタッフの成長スピードが上がり、チーム全体の雰囲気も明るくなったのです。

　現在は、お客さまとの関係を深めることで自然とリピートが増え、売上は年間１億３０００万円を超えるまでに成長。

　本人も「相手を理解する力があれば、どんな人とも信頼関係を築ける」と語っています。

・人を理解すると、セールスが自然体になる

　セールスが苦手な人の多くは、「売る」ことに意識が向きすぎています。

　でも本来、セールスとは「相手の望む未来を一緒に叶える提案」です。

　相手を理解して話を聞く姿勢を持つと、押しつける営業ではなく「共感のセールス」ができるようになります。

　たとえば、提案の前に

「いまどんな悩みを持っているのか？」

「どうなりたいのか？」

　というポイントを丁寧に聞きましょう。

　そのうえで、相手が大切にしている価値観に合わせて伝え方を変えることで、提案は驚くほど受け入れられやすくなります。

　理解から始まるセールスは、信頼されるセールスに変わる。

　この意識の転換が、長く愛されるビジネスを築く第一歩です。

・人を理解する力は「見えない資産」になる

　お客さまやスタッフを理解する力は、経営者の「見えない資産」です。

　数字やスキルだけでは測れない、人の信頼を積み重ねる力こそが、長く続く会社の土台になります。

・お客さまに寄り添うこと

・スタッフを信じて見守ること

・相手の立場で考えること

　この３つを意識するだけで、コミュニケーションの質が変わり、職場の空気が穏やかに整っていきます。

　そうして、人を理解できるリーダーのもとでは人が自然と育っていくのです。

　人の力を信じ、人の個性を活かせる経営者こそが、次の時代をつくるのです。

・人を理解する力が、続くビジネスにする秘訣！

　経営の本質は、数字よりも人。

　人の心が動けば、売上も人材も自然とついてきます。

　人を理解することは、特別な才能ではありません。

　ぜひ今日から、人を理解する経営を意識してみてください。

　その先にはきっと、スタッフもお客さまも笑顔で働くしあわせな未来が待っているはずです。