●「売れない人」を「信頼される人」に変えましょう
- 大沢清文
- 18 分前
- 読了時間: 4分
・セールスの苦手なスタッフを育てる5つのポイント
「セールスが苦手で、提案するのをためらってしまう」
「商品説明はできるのに、契約につながらない」
そんなスタッフの育成に悩む経営者は少なくありません。
どんなに優れた商品やサービスを持っていても、それをお客さまに届けられなければ、会社の成長は止まってしまいます。
けれども「売りなさい」とプレッシャーをかけても、セールスが苦手な人はかえって萎縮してしまうものです。
わたしが多くの経営者をサポートしてきた経験から感じるのは、「売れないスタッフほど、心のなかに怖さを抱えている」ということです。
この怖さをどう解消し、前向きに提案できるように導くかが、経営者の役割なのです。
今回は、セールスに苦手意識を持つスタッフを育て、会社全体の売上を底上げするための6つのポイントをお伝えします。
・Point1 「売ること=悪いこと」という思い込みを外す
多くのスタッフが「セールスが苦手」と感じるのは、
「高いものを売るのは申し訳ない」
「押し売りみたいでイヤ」
という罪悪感を持っているからです。
まずは、経営者自身がその思い込みを外すところから始めましょう。
お客さまが本当に必要としているものを、自信を持って届けることは、相手の人生をよくする行為です。
その価値を信じられるようになると、セールスは「売る」ではなく「貢献」に変わります。
「お客さまにとって必要なものを提案することは、相手をしあわせにすること」
という意識が根づくと、スタッフの表情や言葉が自然と前向きに変わっていきます。
・Point2 「うまくいかなくて当たり前」と伝える
セールスは、最初からうまくいくものではありません。
どんなに優秀な営業マンでも、10人に提案して3人に買ってもらえれば一流です。
つまり、7人に断られても「普通」なのです。
ところが、セールスが苦手な人ほど
「断られる=自分が否定された」
と感じてしまいます。
だからこそ、経営者は
「断られてもあなたの価値は下がらない」
というメッセージを、何度でも伝えていくことが大切です。
断られる経験を「失敗」ではなく「練習」と捉えられるようになると、スタッフは一気に伸びていきます。
挑戦を笑わない環境、安心して試せる環境をつくりましょう。
・Point3 「よかったこと探し」で気持ちを整える
セールスが苦手な人は、失敗や反省ばかりに意識が向きがちです。
「また断られた」
「うまく話せなかった」
と思うたびに、自信を失っていくのです。
そんなときこそ、「できたこと・よかったこと」にフォーカスする習慣をつくりましょう。
たとえば、朝礼や終礼で今日よかったことをひとつ共有するだけでも効果があります。
小さな成功体験を言葉にすることで、脳が成功の証拠を探すようになり、行動が前向きに変わっていきます。
この積み重ねが、スタッフの自己効力感を高めていくのです。
・Point4 強みを見つけて、役割を明確にする
「話し上手ではなくても、丁寧な説明ができる」
「クロージングは苦手だけれど、お客さまの悩みをじっくり聴ける」
このように、セールスが苦手なスタッフにも、かならず「得意分野」があります。
経営者の役割は、その人の強みを見つけて活かすこと。
すべてのスタッフに同じ型を押しつけるのではなく、個性に合ったセールススタイルを一緒に見つけていくことが重要です。
たとえば、「聴く力がある人」は、カウンセリング型セールスに向いています。
「分析が得意な人」は、数値やデータを使って提案する方法を磨くとよいでしょう。
その人の強みを伸ばす方向に導くことで、自然とセールス力は上がっていきます。
・Point5 チーム全体で成長する
経営者の最終的な役割は、自分が売ることではなく、「売れる人を育てること」です。
どんなにカリスマ的なセールススキルを持っていても、経営者ひとりでは会社は成長しません。
スタッフが自信を持って商品を提案できるようにしくみをつくり、お客様に喜んでいただく経験を社内で共有しましょう。
スタッフが売れるようになると、会社の売上だけでなく、チームの自信や誇りも育ちます。
「売ること」ではなく「喜ばれること」を目的にした組織は、長く愛される会社に育つのです。
・セールスの苦手意識を成長のチャンスに変える
セールスの苦手なスタッフは、裏を返せば「お客さまに誠実でありたい」と思っている人です。
その優しさを、売上につながる力に変えていきましょう。
焦らず、責めず、少しずつ自信を育てていくことで、スタッフは「売るのが怖い人」から「信頼される人」へと変わっていきます。
経営者がスタッフの心の変化を見守りながら、環境としくみを整えていけば、組織全体が安定し、結果として売上も右肩上がりに伸びていくはずです。

Designed by Freepik
コメント