●左脳と右脳のバランスをとれていますか?
- 大沢清文

- 11 分前
- 読了時間: 5分
・これからの時代は「人間らしさ」が価値になる
「AIがさらに進化したら、人間の仕事はどうなるのだろう?」
そんな疑問を持つ経営者の方も増えているのではないでしょうか。
文章や画像をつくる。
情報を整理する。
資料をまとめる。
以前は何時間もかかっていた仕事が、AIを使うことで短時間に整うようになりました。
でも、じつは、AIが進化すればするほど、「人間らしさ」の価値は高まってきています。
これからの経営では、AIと競うのではなく、AIと人間の役割を分けることが大切です。
AIが得意な作業は、AIに任せる。
経営者は、相手の気持ちをくみ取り、人との信頼を育て、未来を選ぶことに力を使う。
役割が整理されるほど、経営の流れも軽やかに整っていくのです。
・AIと人間では得意な領域が違う
AIと人間の違いを説明するとき、わたしは、イメージとして「左脳」と「右脳」というたとえを使うことがあります。
AIは、左脳的な仕事をとても得意としています。
ここでいう左脳とは、論理や分析、データを活用する力です。
膨大な情報を集める。
複数の情報を比較する。
文章を整理する。
一定の条件から、効率のいい答えを導き出す。
こうした作業では、人間が何時間もかけるより、AIのほうが速く正確な場合もあります。
一方で、相手の表情や声の調子から気持ちを感じ取る右脳的な働きは、人間ならではの領域です。
言葉にはなっていない不安をくみ取る。
相手が話しやすい空気をつくる。
状況に合わせて、言葉の伝え方を変える。
こうした感覚は、経営においても欠かせません。
AIが答えを整え、人間が相手に届く形へ整えることで、はじめて価値が生まれます。
これは、AIと人間のどちらが優れているという話ではありません。
それぞれの強みを理解して活かす。
ここがとても大切なのです。
・データは答えではなく判断材料
キレイデザイン学では、個性診断を活用しています。
相手の性格や行動傾向を知ることは、コミュニケーションを円滑にするうえで役立つものです。
わたし自身も、個性や価値観の違いを理解するためのデータを、経営や人間関係に活かしています。
ただ、ときどき気になることがあります。
それは、診断結果やAIが示した答えを、そのまま相手へ当てはめてしまうことです。
データは、あくまで「統計的に、その傾向がある」という目安にすぎません。
データだけで、相手のすべてがわかるわけではないのです。
また、人はデータどおりには動きません。
同じタイプに分類される人でも、育ってきた環境は違います。
いま置かれている状況も違います。
ですから、同じ言葉を伝えても、受け取り方は一人ひとり変わるものなのです。
「このタイプの人には、結論から話せばいい」
「このタイプなら、この商品を喜ぶはず」
と決めつけないようにしましょう。
相手の表情を見る。
相手の話を聞く。
いま何を求めているのかを感じ取る。
このように、「データ」と「目の前の相手」の両方を見ることが、これからの時代に求められていく力なのです。
・人の心は正しさだけでは動かない
以前、おもしろい話を聞いたことがあります。
高学歴の男性ばかりの集まりで、
「女性から『プレゼントは何でもいいよ』と言われたら、何を渡すか?」
という話題になったそうです。
話し合いの結果、選ばれたのはカタログギフトでした。
「何でもいいと言われたのなら、本人に選んでもらう方法がもっとも合理的だ」
という考えです。
論理だけで考えれば、間違いではありません。
選択肢も多く、好みを外す心配も少なくなります。
でも、実際に女性の意見を聞いたところ、カタログギフトのプレゼントは不評でした。
それは、「何でもいいよ」という言葉の奥には、「わたしのことを考えながら選んでほしい」という気持ちが隠れているからです。
時間を使って選んでくれた。
好みを想像してくれた。
喜ぶ顔を考えてくれた。
このように、人は、品物だけではなく、込められた気持ちを受け取っています。
人の心を動かすのは、合理的な正解よりも、「相手を想う心」なのです。
・AIで生まれた時間を人に使う
AIが進化すると、人と会わなくても仕事が完結する場面は増えていきます。
オンラインで打ち合わせをする。
AIに文章を整えてもらう。
自動化されたしくみで商品を届ける。
このように、便利になることは、とてもいいことです。
でもじつは、人と直接会わなくても仕事ができる時代だからこそ、人と向き合う時間の価値が高まっています。
お客様の話をゆっくり聞く。
スタッフの表情を見ながら声をかける。
仕事とは関係のない会話を楽しむ。
食事をともにする。
同じ景色を見ながら未来の話をする。
何気ない時間のなかで、相手の本音が見えることがあります。
予定していなかったアイデアが生まれることもあります。
AIによって生まれた余白を人との関係に使うことで、信頼が少しずつ積み上がっていくのです。
効率化によって空いた時間に、さらに作業を詰め込む必要はありません。
人と向き合う時間に変えてもいい。
自分の身体を整える時間にしてもいい。
経営の全体を静かに見直す時間にしてもいい。
余白があるからこそ、人に優しくなれます。
人との関係も、経営の流れも、自然に整いやすくなるのです。
・人間にしかできない価値を磨く
AIは、これからも進化していきます。
人間より速くできる仕事も増えていくでしょう。
だからといって、人間の価値がなくなるわけではありません。
むしろ、感性や共感、信頼といった、人間にしか育てられない価値が、さらに求められる時代になります。
左脳と右脳。
論理と感性。
データと人間らしさ。
どちらか一方に偏らず、両方を心地よく組み合わせていく。
そのバランス感覚が、これからの経営ではますます大切になっていきます。




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