●経営の極意は「中庸」のバランスにある
- 大沢清文

- 6月22日
- 読了時間: 4分
・経営が安定している経営者の特徴とは?
「売上も伸ばしたい。でも、自分らしさも大切にしたい」
「お客さまに喜ばれたい。でも、無理な働き方は続けたくない」
そんな想いを持ちながら経営を続けている方は多いのではないでしょうか。
じつは、長く安定して成果を出し続ける方には、ある共通点があります。
それは、「バランス感覚」に優れているということです。
がんばるときはがんばる、休むときは休む。
利益だけでなく、お客さまのしあわせも大切にする。
その絶妙なバランスを保っているのです。
わたしが経営においてもっとも大切にしている考え方のひとつが、「中庸(ちゅうよう)」です。
中庸とは、どちらか一方に偏るのではなく、本質的な真ん中を見つける考え方です。
今回は、経営者が知っておきたい「中庸」の考え方についてお伝えします。
・利益と貢献の真ん中を見つける
経営相談を受けていると、とても優しい経営者の方に多く出会います。
お客さまの悩みに深く共感し、なんとか力になりたいと考える方です。
でも、その結果、
「今回は無料でいいですよ」
「お金は気にしないでください」
と、自分を後回しにしてしまうことがあります。
もちろん、その気持ちは素晴らしいものです。
でも、それが続くと経営は苦しくなります。
一方で、自分の利益だけを優先してしまうとどうでしょうか?
お客さまの状況を考えず、高額な商品を売ることばかり考えていては、お客さまから信頼していただくことはできません。
だからこそ、経営では、「自分もよし、相手もよし」の地点を見つけることが重要なのです。
近江商人には、「三方よし」という言葉があります。
売り手よし。
買い手よし。
世間よし。
これが、まさに中庸の考え方です。
自分だけが豊かになるのでもなく、相手だけが得をするのでもない。
双方が豊かになれる関係をつくることが、長く続く経営につながります。
ですから、適正な利益を受け取ることに遠慮はいりません。
利益は悪いものではありません。
価値提供の結果としていただく感謝の証なのです。
・感情に寄り添いながら飲み込まれない
経営者は、人の悩みに触れる機会が多くあります。
コンサルタントや講師業であれば、なおさらです。
深刻な人間関係。
お金の問題。
将来への不安。
お客さまの苦しみを聞いていると、自分まで気持ちが重くなってしまう人も少なくありません。
でも、そこで一緒に沈んでしまっては意味がありません。
お客さまが求めているのは、一緒に苦しむ人ではなく、解決へ導いてくれる人だからです。
共感することと、感情に飲み込まれることは違います。
相手の痛みを理解する、でも、自分の軸は失わない。
その距離感が大切です。
これは子育てでも、夫婦関係でも、スタッフ育成でも同じです。
相手の気持ちを受けとめながら、自分自身は冷静でいるからこそ、相手を支えることができます。
プロフェッショナルとは、感情を持たない人ではありません。
感情を理解しながら、冷静に行動できる人です。
このあり方も、大切な中庸のひとつなのです。
・がんばることと休むことを両立する
真面目な経営者ほど、がんばることが得意です。
でも、休むことは苦手です。
常に仕事のことを考えている。
休んでいても気になる。
そんな方も多いのではないでしょうか。
わたし自身も、以前はそうでした。
でも、長く経営を続けていくなかで気づいたことがあります。
それは、休むことも経営の仕事だということです。
走り続けるだけでは、長く成果を出し続けることはできません。
呼吸は、吐くからこそ、また吸うことができます。
これは、経営でも同じです。
動くときがあり、止まるときがある。
考えるときがあり、整えるときがある。
そのリズムがあるからこそ、安定した成果につながります。
とくに女性経営者は、家庭や家族との時間も大切にしている方が多いものです。
だからこそ、無理を続ける経営ではなく、続けられる経営を意識してほしいのです。
・陰と陽の両方を受け入れる
経営にはよいときも、思うようにいかないときもあります。
売上が伸びる時期もあれば、立ち止まる時期もあります。
でも、多くの人はよい状態だけを求めてしまいます。
ただ、人生にも経営にも波があるものです。
だからこそ、上昇だけではなく、停滞にも意味があると知ることが大切なのです。
陽があるからこそ、陰にも意味が生まれます。
どちらか一方を否定するのではなく、両方を受け入れる。
その視点があると、経営はすっとラクになるはずです。
・中庸が経営に安心感をもたらす
経営が安定している経営者ほど、「極端」を選ばず、「調和」を選んでいます。
利益も、お客さまも、成果も、自分のしあわせも大切にする。
その両方を手に入れることは、決して欲ばりではありません。
もし、いま何かに偏りを感じているのであれば、一度立ち止まってみてください。
そして、自分にとっての「ちょうどいい真ん中」を探してみてください。
その先に、売上だけではない、本当の豊かさを感じられる経営が待っているはずです。




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