・「女性が家を守る」文化は、日本の歴史上まだ新しい
「仕事をすることに対して、旦那さんから応援してもらえない」
と感じることはありますか?
わたしのところにも、このようなご相談が度々寄せられています。
時代は変わりつつあるものの、家事や育児と仕事との両立に悩む女性は、まだまだ多いのが実情です。
家庭ごとに事情はさまざまですが、じつは、日本の歴史では、女性も仕事をしていることのほうがスタンダードでした。
時代が違えば「当たり前」も、まったく違うものなのです。
江戸時代以前の日本では、「妻も家の外に出て仕事をする」ということが当たり前でした。
「結婚をしたら夫婦の姓を揃える」
「男性は外で働き、女性は家を守る」
というしくみは、明治時代からはじまった、まだ歴史の浅いものです。
そう考えると、いま増えてきている夫婦別姓や夫婦共働きの動きも、
「1000年以上続いてきた、もともとの日本文化に戻ること」
だととらえることも、できるのではないでしょうか?
・自分の「思い込み」を見返すと、現実も変わる
とくに戦後の日本では、女性は家のなかにいて働きに出ない「専業主婦」や、
「女性は家で子育てをすることがしあわせ」
という価値観が、多くの人の「当たり前」になっていきました。
とくにわたしたちの年代は、この流れにすっぽり入っています。
ですから、働いている女性が
「本当なら、女性は家のなかにいて家事・育児をするべきなのに…」
という罪悪感を持っていることも多いのです。
「旦那さんから応援されない」という人は、ぜひ、自分自身が働くことに対して罪悪感を持ってしまっていないか、振り返ってみてください。
自分の思い込みは、まわりの人にも影響を与えているもの。
心のなかにある罪悪感が、「旦那さんの言葉」としてあらわれている場合も多いのです。
罪悪感を感じながら働くのをやめて、
「日本はもともと女性が働くのが当たり前だった」
と考え方を切り替えていきましょう。
楽しそうに働けるようになると、まわりの人の反応も変わってくるはずです。
日本の長い歴史のなかで、女性も外で働いてきたということは、つまり、女性にも稼ぐ能力が備わっているということです。
ぜひ、自分の心のなかで稼ぐことを「よし」として、本来持っている能力を発揮していきましょう。
・グローバル目線で見ると「イクメン」も「当たり前」になっていく
「イクメン」という言葉は、日本だけのものだということをご存知でしたか?
海外では「家事や育児は男女でするもの」という概念を持っているので、「イクメン」に相当する英単語は存在しないそうです。
これは、以前「グローバル女子会」という、世界で活躍する日本人女性を福岡に集めた会に参加したときに、参加者の人たちから教わりました。
日本では、女性の家事・育児と仕事との両立が取り沙汰され、積極的に育児に関わる「イクメン」が出てきて、男性が育児休暇を取得するようになってきましたが、海外のように「当たり前」と言うまでには至っていません。
これからはグローバルな視点に立って、男性も、家事や育児を行うことが「当たり前」になっていくといいですよね。
・男性の「育児」は出世につながる!
育児をすると、男女かかわらず「愛情ホルモン」が分泌されます。
この愛情ホルモンは
「人を愛する」
「人から愛されている」
という体験をしたときに分泌され、男性はとくに育児をすると出てくるといわれています。
そのため、一説には、
「旦那さまにも育児をお願いしましょう。そうすると昇進・昇格しますよ!」
という大学の研究結果もあります。
その理由は、子育てを経験した男性は、戦いの本能が出なくなり、部下を持ったときに愛情を持って育成することができるようになるから。
そうすると、部下はそれに応えるように、
「上司のためにどんどんがんばろう」
という、いい循環が生まれるのだそうです。
いい循環、いいチームワークが生まれると、会社の全体の雰囲気も活性化し、業績アップにもつながりますよね。
だから、出世につながっていくのです。
旦那さまを出世させたかったら、ぜひ育児に積極的に関わってもらいましょう。
・「女性も外で働き、男性も一緒に家庭を守る」
女性はもともと職場でも「愛情ホルモン」のいい影響を発揮しやすいので、人の育成、チームワークなど、いま社会に求められている資質を持っています。
ここまでお話ししてきたように、日本では1000年以上もの間、女性が仕事をすることのほうが「当たり前」でした。
そして、男性が育児にかかわることで、家庭にも職場にもよい影響があるということも明らかになってきています。
そろそろ、いまのわたしたちだけが持っている
「男性が外で働き、女性は家を守るもの」
という「当たり前」を抜け出していきませんか?
男性にも家事や育児に協力してもらい、女性は外で本来の能力を発揮して、お互いにどんどん稼いでいきましょう。
それが、家庭、会社、社会全体がどんどん活性化し、みんなで豊かになっていくことにつながっていくのです。
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