●成功する経営者は「正解」よりも「最適なバランス」を探す
- 大沢清文

- 4 日前
- 読了時間: 5分
・「中庸」の視点を持っていますか?
「どちらが正しいのでしょうか?」
経営者の方から、このような質問をいただくことがあります。
売上とお客様満足を、どう両立すればいいのか。
スタッフへ厳しく伝えるべきか、優しく寄り添うべきか。
経営には、このような「二択」に見える場面が数多くあります。
でも、わたしが感じているのは、経営には「これだけが正しい」という答えばかりではないということです。
経営で大切なのは、どちらか一方を選ぶことではありません。
状況や相手に合わせながら、もっともいいバランスを見つけることです。
わたしは、その考え方を「中庸(ちゅうよう)」と呼んでいます。
中庸とは、単純に真ん中を選ぶことではありません。
どちらか一方へ偏らず、その場に合った答えを見つけることです。
変化が激しい時代だからこそ、この中庸の視点は、ますます重要になっていくと感じています。
・経営者の役割は、極端ではなく最適なバランスを見つけること
最近はAIによって、多くの情報がすぐに手に入るようになりました。
「こうすれば売れる」
「この方法が成功する」
そのような情報も数多く目にします。
もちろん、このようなデータや成功事例は参考になりますが、それをそのまま自分の会社へ当てはめても、うまくいくとは限りません。
会社には、それぞれ違う文化があります。
お客様も違います。
スタッフも違います。
だからこそ、「成功事例どおり」が正解ではないのです。
経営者に求められるのは、自社には何が合うのかを考えることです。
極端にどちらかへ寄るのではなく、状況を見ながら調整する。
そのバランス感覚を磨くことこそが、経営者の価値だと感じています。
・相手によって関わり方は変わる
経営者の方々をサポートしていると、
「もっと売上を伸ばしたい」
「本気で事業を大きくしたい」
という方もいれば、
「自分らしく無理なく仕事を続けたい」
という方もいらっしゃいます。
どちらも間違いではありません。
目指している未来が違うだけです。
ところが、その全員に対して同じ内容を伝えてしまうと、うまくいかなくなります。
たとえば、売上を大きく伸ばしたい方には、目標数字や営業活動について、具体的にお伝えする必要があります。
一方、自分のペースで長く仕事を続けたい方には、無理のない売上目標や働き方から一緒に整えていくほうが取り組みやすくなります。
このように、目指す未来によって、伝える内容や順番は変わるのです。
相手を理解することが、中庸の第一歩なのです。
経営者は、自分が伝えたいことだけを伝える仕事ではありません。
相手が何を求めているのか。
いま、何が必要なのか。
そこを見極めながら関わることで、人は安心し、成長していきます。
・一方だけを見ないことが信頼につながる
中庸の視点は、問題が起きたときにも大切になります。
たとえば、お客様からクレームが届いたとします。
そのとき、「お客様が悪い」「スタッフが悪い」と、どちらかだけを責めてしまうと、本当の原因は見えてきません。
クレームが起きたときは、どちらが悪いかをすぐに決めるのではなく、まず経緯を丁寧に確認することが大切です。
・お客様がどのように受け取ったのか?
・スタッフは、どのような状況で対応したのか?
双方の話を聞くことで、問題の原因や改善すべき点が見えてきます。
一方だけを信じるのではなく、両方を見る姿勢が、公平な判断にもつながります。
経営者は感情だけで判断する立場ではありません。
事実を確認し、それぞれの立場を理解しながら、会社としてもっともいい答えを見つけていくことが求められます。
その積み重ねが、社内の信頼にもつながっていくのです。
・中庸の視点が人も組織も育てる
極端な考え方は、判断を簡単にしてくれます。
でも、その分、多くのものを見落としてしまいます。
一方で、中庸の視点を持つ経営者は、目の前の情報だけで結論を決めません。
人の感情。
組織の空気。
信頼関係。
こうしたものは数字だけでは測れません。
だからこそ、経営者にはバランスを見極める力が求められるのです。
経営者が中庸の視点を持つことで、スタッフも安心して意見を言えるようになります。
会社全体に、お互いを尊重する文化も育っていきます。
その結果、組織は変化に強くなり、長く成長し続けることができるのです。
・中庸の視点が経営の未来をつくる
経営は、白か黒かで判断できるものではありません。
だからこそ、経営者には「中庸」という視点が必要になります。
経営者の大切な役割は、正解を当てることではなく、いまの状況に合う答えを選ぶことなのです。
売上とお客様満足。
厳しさと優しさ。
効率と人間らしさ。
状況に応じてバランスを取りながら進んでいくことが、長く愛される会社をつくります。
目の前の選択に迷ったときは、「どちらが正しいか」だけではなく、「いまの会社と相手にとって、どのような形がもっともよい形なのか」を考えてみてください。
その問いを持つことが、変化のなかでも信頼を積み上げ、長く選ばれ続ける経営へとつながっていくのです。




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